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大崩壊炉 マーダン=ダイロウ SR 闇文明 (7) |
NEOクリーチャー:アビスロイヤル 7000 |
NEO進化:水、闇、または火のクリーチャー1体の上に置いてもよい。 |
ブロッカー |
W・ブレイカー |
このクリーチャーが出た時、それが進化クリーチャーなら、相手は自身の進化ではないクリーチャーをすべて、好きな順序で山札の下に置く。 |
このクリーチャーが出た時、相手の進化ではないクリーチャーをすべて破壊する。 |
解決時に進化であるという条件で相手の非進化獣をすべて山札送り&無条件で相手の非進化獣をすべて破壊するという2種類のcipを持つ。
進化させずに出した時の全体破壊のみで見ても、このコストの軽さで味方を一切巻き込まないリセットなのは破格。この手の効果は《悪魔神バロムスポーン》や《偽りの王 モーツァルト》などとコストは重く、味方も巻き込みかちであった。
アビスの味方を巻き込まない全体除去としては《深淵の螺穿 ラゼル=ズバイラル》も存在するが、コストの重さや相手依存の要素が大きいなどで全体除去としてはこのクリーチャーに軍配が上がるだろう。
ただ、このクリーチャーの真の長所は山札送りと破壊な2文に分かれている為2度使える点。
全体除去を2度使うのは意味が無いように見えて、ウルトラ・セイバーやEXライフを始めとする除去置換効果でクリーチャーを守るタイプのデッキであろうとも関係なく盤面をリセットすることが可能という大きなメリットを持つ。
解決順番を逆にすることで先に破壊効果を使って耐性を無くしてからリアニメイトを許さない山札送りで除去することも可能である等、実戦でも機能するタイミングは数多く存在するだろう。
また、デュエパーティーでは2人のプレイヤーを同時に追い込むことができる。
難点としては、相手の進化クリーチャーに対しては完全にノータッチな事。
《月砂 フロッガ-1》と同じく進化がプッシュされる弾であえて進化にマークが甘いカードを登場させることで、逆に使い勝手のバランスを取る手法である。また、このカードが非進化メタとして存在することで、G-NEO進化の普及を期待する意味合いもあるのだろう。その為運用には環境理解・メタ読みが必須となるカードではあるが、「進化には基本的に進化元が必要」というデュエマのルールやその事による進化クリーチャーの扱いの難しさにより、【ライオネル.Star】等の一部例外を除いて進化クリーチャーのみで戦うデッキは過去・現在含めてあまり存在しない。
実際、2025年3月10日の殿堂入り施行後〜DM25-RP1発売前の環境に幅広いデッキが存在する中でも、進化クリーチャーは【白赤緑ドリームメイト】の《料理猫のプワソン》、【青黒緑マルル】の《CRYMAX ジャオウガ》、【青緑ジャイアント】の《終の怒流牙 ドルゲユキムラ》【白赤緑ボルシャック】の《超竜ヴァルキリアス》、デッキ単位で2種以上の進化を採用するのは【赤緑アポロヌス】や【黒緑バロム】のみとかなり限定的。
また、進化クリーチャーをフィニッシャーにする場合でも序盤は非進化クリーチャーの能力で動いていくことが多いかつ進化元の展開が必須な為、早期に出してそれらのクリーチャーを除去出来れば相手の出鼻をくじく事が可能。
最悪フィニッシャー格の進化クリーチャーが登場してしまっても、進化クリーチャーのみでリーサルを組むパターンは少ない為、周りの非進化クリーチャーさえ退かしてしまえば自前のブロッカーと合わせて守りきれる場合も多いだろう。
また、運用難度の高さを押してでも採用される進化クリーチャーには、出たターンからcip無視などでS・トリガー経由のカウンターをロックするなどの明確な役割が与えられているものが多い。
その為、進化クリーチャーが着地してしまった時点でこのクリーチャーでのカウンターが期待できなくなり、逆説的にこのクリーチャーの「進化を除去できない」という弱点が足を引っ張るタイミングは少なくなると予想される。
また、DM25-RP1発売後、特に新弾ブースト時にはNEO進化・G-NEO進化がトレンドとなって、刺さりが悪くなると思われる。
翻って、NEO進化・G-NEO進化の旬が過ぎて《大崩壊炉 マーダン=ダイロウ》の存在が多くのプレイヤーの頭から抜けてきた時期にこそ、このカードの真の地力が明らかとなるだろう。
この手のcip全般に言えることだが、名目コストを支払うより何とかして相手ターン中に出した方が強力になりやすい。