魔誕(またん) [編集]

背景ストーリーにおいて「儀式によって世界を破滅させうる悪魔的存在を誕生させること」[1]。および、背景ストーリーにおいて、その儀式で復活した存在の眷属が構成する勢力。
また、漫画・アニメ『デュエル・マスターズ』シリーズにおけるバロムを復活または誕生させる儀式。

儀式としての「魔誕」(背景ストーリー) [編集]

背景ストーリー上で主に描写されたのは、以下の2回の魔誕である。

1度目の魔誕はエピソード世界、および/または、ゴッド・オブ・アビス世界のはるか過去において執行された。
《悪魔神バロム》が何らかの儀式によって「復活」するという描写自体は2004年発売のDM-09頃からなされていたが、その詳細は2025年発売のDM24-BD4で明かされた。

DM24-BD4では、魔誕には「生贄」となるデーモン・コマンドと「裏切りの怒り」と「最愛の者を失う苦痛」が要求されるらしいことが描かれた[2]

この魔誕の執行首謀者は「闇の王」すなわち《覇王ブラックモナーク》である。
彼と《邪霊神官バーロウ》の暗躍により《バロスト》が「生贄」として見出され、《魔令嬢バロメアレディ》が《バロスト》の「裏切りの怒り」と「最愛の者を失う苦痛」を惹起するために利用された。最終的にこの魔誕では、のちに「死神」の二つ名とともに闇文明の象徴となっていく、《悪魔神バロム》が復活させられた。
なおこの後《バロム》は倒されても倒されても魔誕によって復活させられることとなる[2]ため、背景ストーリー上で明確に描写されていない魔誕が多数回執行されていることがわかる。

またこの魔誕と同時に「夜の死神四天王」なる存在が出現している。この称号は後述の王道篇背景ストーリーで登場する「夜の四天王」と酷似しており、またそれぞれの「四天王」4体の特徴も酷似している。両「四天王」は公式から「無関係にしては似すぎている」と指摘されている[2]。したがってDM24-BD4の魔誕は王道篇ひいてはゴッド・オブ・アビス世界の過去において行われた魔誕を描いている可能性が高い。

+  DM24-BD4参考フレーバー

一方でDM-09の《呪縛の剣豪バロスト》以来その執行が仄めかされてきた「生贄を使って『バロム』を呼び出す」儀式もまた、《バロスト》が生贄にされたらしい点などが上記のDM24-BD4における魔誕と酷似している。
したがってエピソード世界においてもDM24-BD4と同様の魔誕が行われていた可能性、ひいてはそもそもDM24-BD4はゴッド・オブ・アビス世界ではなくエピソード世界における魔誕を描いている可能性がある。

+  その他の参考フレーバー

少なくともこの魔誕の時期は「闇の王」《覇王ブラックモナーク》が人格と肉体を所持していた時期であることを理由に過去としても「かなり昔の出来事」とは確定している[2]
《覇王ブラックモナーク》は基本セット背景ストーリーの開始時点で肉体を失って幽体のような存在になっており、エピソード世界の出来事と仮定した場合は謎の大爆発の発生以前の出来事である可能性は極めて高いと見られる。

次の魔誕はゴッド・オブ・アビス世界において、王道篇背景ストーリー後半で執行された。フレーバーテキストの地の文では、これがDM24-BD4の魔誕を再現したものであることが示唆されている。

+  王道篇参考フレーバー

この魔誕の執行首謀者は《暗黒剣 フラヴナグニル》である。「生贄」とされたのは「夜の四天王」たる《喜びの夜 エルボロム・ハッピー》《怒りの夜 アゲブロム・バイオレンス》《哀しみの夜 シンベロム・カタルシス》《楽しみの夜 フミビロム・パラダイス》の4体それぞれに埋め込まれていた《ジャシン》の肉体4部位およびそれとは別に確保された《ジャシン》の心臓である。またここでは、「喜怒哀楽が極まりきった感情」が、「愛する者を奪われた時」に生じる「裏切りの怒り」の代用となることが描かれた。
「夜の四天王」たちは《フラヴナグニル》の命でゴッド・オブ・アビス世界に出現し、各文明に対する侵略や交流に勤しんでいたのだが、それぞれの活動および感情の波がピークに達した瞬間に不意打ち的に体内の《ジャシン》のパーツを抽出されており、この時に4体それぞれが抱いていた感情がその「喜怒哀楽が極まりきった感情」として利用されたのである。
最終的にこの魔誕では、《悪魔世界ワルドバロム》が誕生した。生贄たる《ジャシン》の肉体が「ワルドバロムの器」の役割を果たし、そこに「ワルドバロムの魂」が宿るかたちで《悪魔世界ワルドバロム》が顕現している。

+  王道篇参考フレーバー

王道篇背景ストーリーにおける魔誕によって世界は壊滅の様相を呈し、大きな影響を被った。

超獣たちの生誕と死のサイクルが歪んだことで次々と奇妙な生物が生まれ、有機と無機の概念が崩壊したことで貪欲な鉱石が食物連鎖に参入した。

「夜の四天王」の眷属たちデモンズ・レガシーは主を失い、その代わりに魔誕によって新たな力を得、《バロム》に近い姿のデーモン・コマンドへと進化を果たした。
これと同様の現象が他のデーモン・コマンドにも発生しているのか、王道篇終盤で収録されたデーモン・コマンドには《バロム》に顔などの部位が酷似したものが複数存在する。

盟主たる《ジャシン》の肉体を魔誕に利用されたアビスは、後述する魔誕の勢力と対立を深めていく。

一方で魔誕が各文明にもたらした被害は甚大であり、その対処のため複数の文明間の結束を促すことになった。

+  王道篇参考フレーバー
+  王道W参考フレーバー

このように世界の理を書き換えていった魔誕は、超魂Xという新たな力や、それを扱うことができる存在フュージョナーをも誕生させることとなった。

+  王道W参考フレーバー

勢力としての「魔誕」 [編集]

王道篇後半から王道Wにかけて登場した勢力。そもそも儀式としての「魔誕」が、「多くの悪魔が同時にうまれることになるらしい」ことから発生した勢力と思われる[2]

名前に「魔誕」を含むものをはじめとするクリーチャーが該当するものと思われる。
デーモン・コマンドなど、王道篇以前から (特に勝舞編から) 闇文明に属するものとして登場していた種族のクリーチャーたちで構成されるが、その多くは以外の文明を併せ持っていたり、闇以外の文明しか持っていないことさえある。またこの勢力に属する多くのクリーチャーはカード名およびカードイラストが過去に登場したクリーチャーをオマージュしたものとなっている。

王道篇で登場したものは全ての文明に存在するが、王道Wでは黒赤緑を中心とする勢力になった。一方で王道篇では「魔誕の勢力」と思われるクリーチャーは全員デーモン・コマンドを種族に含んでいたが、王道Wでは必ずしも含まなくなった。

当初は《悪魔世界ワルドバロム》からの影響を受けていた、あるいは率いられていたと思われる。しかしながら王道篇背景ストーリー終盤で「ワルドバロムの器」となっていた《ジャシン》の肉体から「ワルドバロムの魂」が抜け出てしまい、これが《暗黒剣 フラヴナグニル》に持ち去られる事態が発生する。

+  王道篇参考フレーバー

これ以降、勢力としての魔誕は、《ジャシン》の魂なき肉体が突如動き出した存在: 堕チシ八叉ノ蛇神(ナルガロッチ=ヴリドガルド)に従い続けた。《堕チシ八叉ノ蛇神》および魔誕の勢力は、本能的な破壊衝動に突き動かされている。
一方で彼らは《ワルドバロム》への畏敬の念を失ってはおらず、かつ《ワルドバロム》がもたらす絶望の世界でクリーチャーたちが感情を垂れ流す奴隷となることを望んでいる。
また儀式としての「魔誕」は「魔誕の勢力」からは「感情の極み」と見做されている。

《暗黒剣 フラヴナグニル》が前述の行動に打って出た理由は「魔誕のその先」にあり、それこそこの《堕チシ八叉ノ蛇神》を完全体にすることであった。

+  王道W参考フレーバー

名前に「魔誕」を含むカード [編集]

  • 元ネタが存在する魔誕のカードには以下の特徴がある。
    • DM24-RP4DM25-RP1を初出とするものは過半数が2000年代前半〜中盤が初出のカードを元ネタとする。
    • DM25-RP2を初出とするものは2009年 (神化編期) 初出のカードを元ネタとするものがほとんどであり、かつ元ネタのほとんどが死神に属している。
    • DM25-RP1DM25-RP2を初出とするものはほとんどが元ネタの種族をそのまま引き継いでいる。
    • DM25-RP3を初出とするものはいずれもデーモン・コマンド単種族であり、それは元ネタがデーモン・コマンド以外であったりデーモン・コマンド以外の種族を併せ持つ多種族であったとしても同様である。

名前に「魔誕」を含まないが、魔誕の勢力に属すると思われるカード [編集]

参考 [編集]


[1] 2024/11/20付デュエチューブより。
[2] 2024/11/20付デュエチューブ